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男性へのアンコンシャス・バイアスから考える働き方改革

性別によるアンコンシャス・バイアス

近年、人々の働き方や仕事への価値観が多様化する中で、日本でも企業においてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への動きが進んでいます。
この多様性と包括性を重視する動きの中で、性別におけるアンコンシャス・バイアスは女性に焦点を当てた議論が進んでいますが、男性も直面する性別に基づく困難や偏見について検討していきます。
※アンコンシャス・バイアスとは、無意識のうちに持ってしまう先入観や固定観念であり、これが職場において個々の経験やキャリアに深刻な影響を与えることがあります。

男性の職場での困難とアンコンシャスバイアスの調査

内閣府男女共同参画局による「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によれば、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」「組織のリーダーは男性の方が向いている」「男性は人前で泣くべきではない」といった意見が挙げられ、これにより女性だけでなく男性にも性別に基づく決めつけや役割分担などのアンコンシャス・バイアスが存在していることが指摘されています。

また、Indeedが2023年10月に行った「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」によると、「職場で男性特有の困難の経験」について尋ねた結果、約半数以上の54.6%が「経験あり」と回答しました。
男性特有の困難として感じた経験についての質問では、

「肉体的にハードな仕事をさせられやすい(40.9%)」
「残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい(39.7%)」
「家庭より、仕事を優先すべきだという空気感を感じる(39.7%)」

以上のような困難を感じる人が多いことが分かります。

自由回答では、男性への差別や障壁を感じたという発言が「男なら」「男性だから」「男らしく」などから始まり、アンコンシャス・バイアスから生じていることが浮き彫りになりました。
理不尽な発言や期待にさらされる中で、半数弱の人が「見聞きしたことがある」と回答し、そのうちの9割が「変わってほしい・変えるべきだ」と感じる困難があると報告しました。
特に、「体調不良での休みづらさ」「長時間労働」「転勤・異動」などの働き方にまつわる問題が顕著でした。

調査から男性もアンコンシャスバイアスの影響を受けていることが分かり、これが職場での困難を引き起こしています。

柔軟な働き方と長時間労働の是正の必要性

柔軟な働き方は、女性のためだけでなく、当然ながら男性にとっても重要です。
長時間労働の是正が進むことで、男性に対しては仕事において肩書や期待に縛られず、自身のライフスタイルに合わせた働き方を模索することができます。
性別にかかわらず、働き手の多様性が尊重され、個々のポテンシャルが最大限に発揮される環境が整備されることが大事です。
また、男性が育児に参加しやすい労働環境の整備も必要です。男性も家庭と仕事の両立を円滑に図ることができ、育児負担の平等な分担が促進されます。
企業にとっても誰にとっても働きやすい労働環境を整えることで、人材不足が深刻化する中で優秀な人材の確保や離職率の低減など、様々な利点を得ることができます。

「男だから」「女だから」と性別に囚われることなく、全ての人が働きやすい社会を目指していきたいですね。

<参考>
「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」を実施|indeed
令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究|男女共同参画局

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