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「働きがい」が中小企業の成長を支える!具体的な取り組みとは?

職場でミーティングしている様子

働き方改革の取組みにおいて、中小企業ではテレワークの導入や労働時間の見直し、業務のデジタル化など、生産性向上を目的とした改革が進められてきました。しかし、「働きやすさ」だけを追求しても、企業の成長や従業員の定着につながらないケースもあります。
そこで注目されているのが「働きがい」の視点です。最近の調査では、働きがいを感じる従業員が多い企業ほど業績が向上し、離職率が低下する傾向があることが分かっています。改めて「働きがい」とは何か、中小企業が実践できる具体的な取り組みを紹介します。働き方改革を成功させるヒントをぜひご覧ください。

 「働きがい」とは何か?

「働きがい」とは、単に給与や労働条件が良いことではなく、仕事の意義や成長実感、企業のビジョンへの共感など、精神的な充実感を含む概念です。従業員が「自分の仕事が社会や会社に貢献している」と感じることで、モチベーションが高まり、生産性向上や定着率の向上につながります。

「働きがい」が企業成長に与える影響はさまざまな調査で明らかになっています。
中小企業で働く1万人を対象に実施した厚生労働省の調査(2013年)によると、働きがいを感じている従業員は、そうでない従業員と比べて仕事に対する意欲が3倍以上高く、「今の会社でずっと働き続けたい」と回答した割合が4倍以上高いことが分かっています。
(出典:職場の働きやすさ・働きがいに関するアンケート調査(従業員調査)|厚生労働省)

さらに、日本能率協会総合研究所の最近の調査(2024年)では、仕事へのやりがいが離職防止への鍵となることが示されました。
(出典:「日本の働きがいに関する意識調査」|株式会社日本能率協会総合研究所

また、業績向上には従業員の「働きがい」が重要なポイントになると示す調査もあります。
(出典:「働き方改革」で業績は向上するのか? ~"働きやすさ"、"やりがい"と業績の関係~|働きがいのある会社(Great Place To WorkR Institute Japan))

このように、「働きがい」は従業員の満足度を高めるだけでなく、企業の成長にも大きく貢献する重要な要素です。

「働きがい」を高めるためにできること

「働きがい」は、給与や労働時間の柔軟性だけでなく、仕事の意義や成長の実感など、精神的な充実感が大きく関わります。ここでは、具体的な取り組みを4つ紹介します。

  1. 仕事の意義を伝える
    従業員が自分の仕事の価値を理解し、会社の目標やビジョンに共感できると、仕事へのモチベーションが向上します。
    ・企業のビジョンや理念を明確にし、定期的に共有する
    ・自社の製品・サービスが社会にどのように貢献しているのか伝える
    ・顧客や取引先の声を社内で共有し、仕事の意義を実感できる機会をつくる
     
  2. 成長機会を提供する
    働きがいを感じるには、「成長している」という実感が欠かせません。特に中小企業では、大企業に比べて研修制度が整っていないケースも多いため、意識的に成長の機会を作ることが重要です。
    ・社内外の研修や勉強会を実施し、スキルアップの場を提供する
    ・従業員の強みを活かせる新しい業務に挑戦できる環境をつくる
    ・キャリアパスを明確にし、将来の展望を持てるようにする
     
  3. 権限委譲と自律性の促進
    従業員が自己決定権を持つことで、仕事に対する責任感と達成感を得られます。
    ・業務における裁量権を拡大する
    ・プロジェクトリーダーなどの役割を積極的に若手に任せる
    ・失敗を恐れずチャレンジできる文化を醸成する
     
  4. 承認・フィードバック文化の醸成
    適切な評価と承認は、従業員のモチベーション維持に不可欠です。
    ・定期的な1on1ミーティングを実施し、上司と部下のコミュニケーションを強化する
    ・社内表彰制度を設け、優れた成果や努力を認める

「働きがい」は、給与や待遇だけでなく、仕事の意義・成長・自律性・承認といった要素が重要です。さらに、これらと並行してテレワークなど柔軟な働き方を取り入れ「働きやすさ」を高めることで、従業員一人ひとりのモチベーションを向上させ、定着率の向上につなげることができます。こうした取り組みを進めることで、企業の成長を後押しすることが期待できます。
 

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